合格発表の日のこと

6年生
ついに来てしまった、この日が。
合否の通知が届く日。我が受検校では、張り出しなどの合格発表はなく、合否を問わず、郵送での通知となる。思えば受検以来、ずっと、ぐっすり眠れなかった。
受検当日は、朝までほとんど寝付けず、頭は起きたまま。そして不合格を悟ってからは、もう期待はしていないんだけど、
早々に吹っ切れて、地元中進学へと前を向いているちびマルとは対照的に、マル子はいつまでも自分を慰めるべく、インターエデュで受検校の過去ネタ検索。これまでの合格ボーダーラインなどをチェックしては、さらに不眠に拍車をかけている情けない母マル子。。。
ネットの中に、安心材料を必死で探すも、不安は増すばかり。無謀な挑戦をさせてしまったのかもしれない。
最初から無理だったんだ。
どうせ一生懸命に取り組むのなら、ピアノとかスケートとか、ちびマルが本当にやりたいと言ったことをさせてやればよかったのに・・・自分を責めた。

 

そして今日、ちびマルに非情な結果を通告しなければならない。
あんなに難しい問題に頑張って食らいついたのに。
やっぱり合格したいと、最後は必死の粘りを見せてくれたのに。

ちびマルが帰ってきてから、一緒に開封すべきかどうか迷う。

結果はわかっていても、マル子は泣いてしまうだろう。
ちびマルは、頑張ったんだからいいじゃん!と吹っ切れているのに、本人を前に泣いたら、その思いを否定してしまうみたいで失礼な気がした。

だから泣いておこう。先にしっかり泣いておこう。

 

郵便配達の音・・・

裏の通りを郵便配達のバイクが走った。
音が近づく。そろそろだ。

 

ピンポーン

 

ちゃんと印鑑押せるかな。
もう涙目だけど。一生懸命平静を装って、平気な顔して受け取った。

何だよ、このタイミングで、地元中の『入学通知書』も一緒に届いた。
不合格を暗示してたみたいに。

不合格の封筒は、薄っぺらいらしい。当たり前だ。「残念ながら・・・」の文面が入っているだけだもの。
でも、合格の時も薄いらしいけど。

もうすでに泣きながら、不合格通知が入っているはずの封筒を触る。
一瞬、思ってたペラッペラな感触とは違う気もしたな。

ちびマル、ごめんね。先に開けるね。

 

開封してしまった・・・

1枚ではない。2枚でもない。
何なんだろ、この紙。涙でよく見えない。

 

 

なんで、合格通知書が入ってるんだろ・・・

 

 

こんなに声を出して泣いたのは、いつぶりだろう。

さっき悲しくて泣いてたはずなのに。
今なぜか、うれしくて号泣している。

泣いた。泣いた。気が済むまでずっと泣いた。

 

ちびマルご帰宅

学校から帰ったちびマルに、サプライズでケーキを用意した。もちろん、「合格おめでとう」のメッセージ入り。
きっと今日が発表だなんて忘れているであろうちびマルが、部屋に入るなり、ビックリ感動!!ってな算段。テーブルの上のケーキを見たちびマル。特に反応なし。。。不合格でも落ち込まないように、用意してくれたと思ったらしい。仕方ないので、「合格通知書」を目の前に差し出したのだけど・・・

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20秒くらい、状況がつかめなかったようで、口をあんぐりしたまま固まった後、ちびマルはなぜか突然笑い出した。こういう時って、二人で抱き合って歓喜の涙を流すんじゃないのー???

ちびマルが笑うから、マル子も一緒に大笑いした。

信じられない。いまでもなぜ合格したか分からないし、信じられない。

ちびマルの受検した県立中高一貫校は、ここ数年倍率は横ばいなものの、私立や国立を受験していた層が第一志望化するようになり、年々合格難易度は上がってきていると言われている。

まだ得点開示に行っていないので点数はわからないのだけど、とにかく適性検査では理系がボロボロだったのは確かなのに。

本当にすごい。ちびマルを誇りに思う。
今はただただ、それだけ。

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