早々に吹っ切れて、地元中進学へと前を向いているちびマルとは対照的に、マル子はいつまでも自分を慰めるべく、インターエデュで受検校の過去ネタ検索。これまでの合格ボーダーラインなどをチェックしては、さらに不眠に拍車をかけている情けない母マル子。。。
そして今日、ちびマルに非情な結果を通告しなければならない。
あんなに難しい問題に頑張って食らいついたのに。
やっぱり合格したいと、最後は必死の粘りを見せてくれたのに。
ちびマルが帰ってきてから、一緒に開封すべきかどうか迷う。
結果はわかっていても、マル子は泣いてしまうだろう。
ちびマルは、頑張ったんだからいいじゃん!と吹っ切れているのに、本人を前に泣いたら、その思いを否定してしまうみたいで失礼な気がした。
だから泣いておこう。先にしっかり泣いておこう。
郵便配達の音・・・
音が近づく。そろそろだ。
ピンポーン
ちゃんと印鑑押せるかな。
もう涙目だけど。一生懸命平静を装って、平気な顔して受け取った。
何だよ、このタイミングで、地元中の『入学通知書』も一緒に届いた。
不合格を暗示してたみたいに。
不合格の封筒は、薄っぺらいらしい。当たり前だ。「残念ながら・・・」の文面が入っているだけだもの。
でも、合格の時も薄いらしいけど。
もうすでに泣きながら、不合格通知が入っているはずの封筒を触る。
一瞬、思ってたペラッペラな感触とは違う気もしたな。
ちびマル、ごめんね。先に開けるね。
開封してしまった・・・
何なんだろ、この紙。涙でよく見えない。
なんで、合格通知書が入ってるんだろ・・・
こんなに声を出して泣いたのは、いつぶりだろう。
さっき悲しくて泣いてたはずなのに。
今なぜか、うれしくて号泣している。
泣いた。泣いた。気が済むまでずっと泣いた。
ちびマルご帰宅
きっと今日が発表だなんて忘れているであろうちびマルが、部屋に入るなり、ビックリ感動!!ってな算段。テーブルの上のケーキを見たちびマル。特に反応なし。。。不合格でも落ち込まないように、用意してくれたと思ったらしい。仕方ないので、「合格通知書」を目の前に差し出したのだけど・・・
20秒くらい、状況がつかめなかったようで、口をあんぐりしたまま固まった後、ちびマルはなぜか突然笑い出した。こういう時って、二人で抱き合って歓喜の涙を流すんじゃないのー???
ちびマルが笑うから、マル子も一緒に大笑いした。
信じられない。いまでもなぜ合格したか分からないし、信じられない。
ちびマルの受検した県立中高一貫校は、ここ数年倍率は横ばいなものの、私立や国立を受験していた層が第一志望化するようになり、年々合格難易度は上がってきていると言われている。
まだ得点開示に行っていないので点数はわからないのだけど、とにかく適性検査では理系がボロボロだったのは確かなのに。
本当にすごい。ちびマルを誇りに思う。
今はただただ、それだけ。
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